​​高校卒業後、自衛隊に入隊しましたが

ヘルニアになり使い物にならないと、隊員食堂に配属されました。

初めて包丁を握り、玉ねぎを切ることが何よりも楽しく、この道を極める事を決意し、専門学校に通いました。

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卒業し、埼玉県のレストラン にてフランス料理の基礎を教わりました。

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その後、未知の食材や料理に出会いたいと、ヒッチハイクで食の旅に出ました。

なかなか食事にありつけず、食の事よりもどうしたら車に乗せてもらえるのかで、頭がいっぱいでした。寒さや空腹で、全ての食べ物が有り難く新しく新鮮だと感じました。

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帰郷後フランスへ渡り、パリの星付きレストランで働きました。

ある休日に、公園の裏の敷地を散歩していると、

およそ３０匹の野犬の群に囲まれ、九死に一生を得ました。

死ぬ覚悟をした唯一の瞬間でした。

帰国後、東京神楽坂に行き野菜のフランス料理を教わりました。

その後新潟市で、パエリアなどの西ヨーロッパ料理を習い

その後フランス料理店の店舗を任されシェフを経験したのち、

​地元、上越市へ帰郷しました。

自分の店舗を持ち、

周りが見えなくなるほど情熱を注いでいく中で、周りとの温度差や周囲からの言葉に大きなストレスを感じてしまい、一度お店を閉店しました。

周りに気持ちを閉ざし、心のバランスを崩した時期があり、

この頃から選ぶ食材が少しずつ変わっていったように想います。

お店の規模を縮小させ、なんとなく安定してきた矢先、

店舗の屋根が強風で飛んでゆきました。

それをきっかけに、お惣菜やお豆腐を売って周ったり、出張型レストランをしたりと、

自分に合ったスタイルに少しずつ近づこうと模索しました。

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もっともっと旅するように料理を楽しみたいと、

そんな気持ちになり、
一ヶ所に留まる事なく、沢山の人と料理や心を通して関わりたい。
そんな店舗すら持たない僕など、もはや名のる名も無いなと
そう思うようになりました。

『なのるなもない』